雪の降る大地は遥か春を待つ冬はつづきぬいやおうなしに
緑地にはホルシュタインの横たわる。内地の牛はなぜに赤いか
娘にはここが田舎と語りしも都会と言われつくばは狭し
サンダルをひっかけ成田を飛び立てばアジアの海はなお輝けり
つくばにはあらゆる国の人つどう言われてみれば都会なのかも
想念は世界をまわり帰国する海彼の人のゆきかう街へ
阿見町の道端にある戦車などうららにながむ田舎のどけき
自衛官仕事さぼって仮病かなお得意さまなり大学病院
日本海テポドンゆきて迷惑な国境線の緊迫はあり
つましくもつくばで暮らすブラジル人帰国したなら家を買うらし
姿勢よく背筋伸ばして中国人自転車をこぐ遠目にわかり
アフリカのインテリジェンスの機関銃勢いのある日本語話す
万葉を理解できぬと言われては写真集見て英訳を読む
海彼等と話して気づくわたくしは日本のことを皆目知らぬ
カラオケも演歌も知らぬひねもすを歌人と言うがせつなくおもう
諦めよう。パスポートなら国籍が書かれているし歌詠めるから
顔見てもどこの国から来た人かわからないのがふつうなのかも
つくばには日本かぶれの外国人そぞろ歩きぬTシャツを着て
テクノロジーすすみてゆけば宗教はオウムのビラに皆さわぎたる
街のなか無人の社ひっそりと埋もれるままにつくられたまま
大地への愛着なくば神さまはおとづるる人待つしづかな街よ
みこころは天にとどまり大地にはうららな花のうつろう季節
咲く花の根づかぬとてを嘆いても季節めぐれば咲く花のあり
着物着て海彼の人らつどいてはむらの神をとあがめたてれば
人生はなるようにしかならないと地球をながむ海彼をながむ
ジーザスの超現実的な現実はアジアの百合を世界につたう
太古へとすすみたるほど現実は超現実へと消えてゆきたる
ダニエル書 3. 31-33
投稿者 Blue Wind : March 24, 2004 01:19 AM