March 15, 2004

こころには垣根のありし寒つばき風に吹かれて季節の終わる

訃報にも虚無を知るべし長電話かなしくもなくあはれでもなく
訃報よりわが子案ずる母なれば鬱にしずむをなほ案じたる
もうなにも傷以外には見つからぬひからびた死の報せのむなし
ぬくぬくと陽だまりのなか犬を抱くかわりなき夫の日課というもの
諦めよう。従兄の死より吾子の手の傷を案ずる夫という人は
失つて悲しきいのちいくつあるかぞえてむなし愛というもの
こころには垣根のありし寒つばき風に吹かれて季節の終わる
悲しみにくるる人らのなかりせば死はあらねと悲しくもなく

ヨブ記 6. 14-23

投稿者 Blue Wind : March 15, 2004 04:00 AM
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