眠っても眠りたりない夢の中「行って来るねー」吾子の大声 締め切りに追われる日々の遠かりし主婦暈けなおすことから始め 平凡な家族でいられるつくばかな外の風などしばし忘れり 針箱に旧き神社の鈴のあり吾子みし鳴らす記憶の木霊 宍道湖の霧に沈める夕焼けの淡きピンクの滲む湖水よ 現実はいつも誰かがイネガリテ妖精になる年寄りありき 風という流れの中には空気というわけのわからぬ代物のあり 野に山に咲く傍らにアスファルト道うねりて続く 強烈なウネリの中で微笑んでふゆうのなかは自由あふるる