凧揚げに行きたいからと風の子はピザ一枚で店を飛び出し
無理やりに歌など詠んでみたものの気分は虚ろはるうららかな
善きことはだまつてやるがうるわしくそうぞうしきは歯医者の音
60点漢字テストを隠したる吾子の罪かな親の罰かな
吾子叱る夫を叱つてけふもまたヒステリーなど理屈でにごす
まほちゃんはのんびり育てすくすくと可愛いままで愛を育み
父さんは勉強ばかりしてたから勉強しないと案ずる親に
母さんは勉強してると怒られた遊ぶときには真剣なれと
もう一人男の子などいたならば期待はそちら視線はそつち
一人つ子甘やかしては親のそば離れぬことをほくそえむ吾
朝焼けの黄金に燃やすカーテンを見やる間もなき寝坊した日は
◇ご返歌
夢みるは自恃あるだけ人の渦もとむるものの違いやいかに
空手には何の興味もないけれどマス大山は励ましとなり
大山はひたすら強くなりたかつた敗戦の中一撃となる