October 12, 2003

誕生日ゆきつもどりつのらくらとあこの未来とわれの過去とを

三日月を追いかけ走る秋の道下へ下へと落ちては浮かび
梨狩りを怯えてできぬ子に気づく鳥避け響く蝉鳴く山よ
青き実をつけたる花の名を訊くも「学者じゃねえから知らん」らしいや
騎馬戦も徒競走もなくなりし鼓笛隊すら旗持ちもなく
青空に取り残されし親世代拍子抜けせど子等育ちゆく

自分さえどこの誰だか分からぬと哀れなるかなバーチャルの闇
ジャンキーをブロックせしをジャンキーと思わるる吾サイバー合戦
実名を名乗るほうがストーカー?あほかと思うジャンキー地獄
精神の育たぬままに肉育ち群れるサル山愛を知らずに

開通をひかえた駅の地下道を車で抜けて信号停止
今生きる吾を電子に変えたるかインターネット社会といふもの
のんびりと電子の和歌と戯れど文庫の文字の多さに嘆き
吹く風よ とどまることを知らぬのか 海へ空へと山にて思う

誕生日ゆきつもどりつのらくらとあこの未来とわれの過去とを

アザレアの紅に咲く秋タンポポの黄色い花の一つ咲きたり
ああ春よ季節のとまるわが庭の時計の針の狂いし秋よ
”メモリアル”墓場のことと知らねども墓石並ぶ折り込み広告
花さえも狂う秋みち月は冴え三日月・半月・クリアに浮かぶ
月を見て走る夜空のアップダウン大きすぎるか外灯寂しく


◇せりさまへご返歌
トップレス気ままな彼らのバカンスを横目で見やるサングラスごし
あんのんと公約数に埋もれたり小さき輪にもコンセがイルの?
学生を吐き出す駅の向こう側聖橋には誰も向かわず
毎夕にたむろする鳥けたたましフロントガラスの糞公害
ガン告知半年もつと言ったのに三月ももたずあっけなく死す
最後には人の力の及ばぬを知りつのりこえ未知なる旅路
蓋を開け針と糸とをとりいだす10年前に買った針箱
咲く花の気まぐれなるを知る秋にそれをとどめんわが歌のなか


◇cupidさまへご返歌
芸術に終わりなき日のゆくすえにピアノ三昧ウィーンへ向けて
バカの壁 立ちはだかるは脳内のできごとと知る ゆきすぎてみて
電子文字とおりすがるもバカの壁過剰反応するもおかしき


◇あやめさまへご返歌
萩の花露光りたる秋の庭 雨上がり空輝きに満ち
紅に染まる夕空澄み渡る今が秋かとほむらのごとく
魂もたまには浮き輪必要か暮れゆく波に揺られるためには
屋根の上浮かんだ月の大きさに雲さえ見えぬ秋は深けゆく
スーパーの荷物を友に走らせる道さえ月の踊るを眺む
狂い咲く花さえ隠す雑草の生い茂れども雨は降る降る


◇ラサさまへご返歌
紋黄蝶ひらひら飛ぶよ秋の庭 春の庭かと夫に問う秋よ
灰色の空は静かに一面に雨に濡れてた街にも森にも
青とんぼ再び探す秋景色筑波の山にぞ探せど遭えず

投稿者 Blue Wind : October 12, 2003 04:42 PM
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