うつそみの世を漂いつ名無しとも思えた吾にも名こそあるらし 幾千の舞い散る言の葉とらえども降るよ降るよと舞い散らせしか 秋とんぼ器用にとまれる枝先のしだるを眺め船酔い覚ゆ こおろぎの羽音の色の変われるやラッパ奏者の掠れるが如