消えうせた夢のつづきをカラパナの黒き砂辺の椰子の芽にみし
溶岩の丘なだらかにうねうねと空ひろく道黒き砂濱
黙々と雲の生まれるボルケーノ標示は空に示されている
退屈な道の先には海の壁ペイントされて空はまだ↑
海の中やけに大きな海亀も岩のふりして波に背をむけ
波の音絶えることなくひねもすは人の声すらマイクの響
フェンス越し紫陽花の花うつむいて遠巻きに雨降りたるを知る
鬱蒼と重なりあったなつかしき木木少しだけ花と実残す
窓の外右へ左へ人歩き犬めずらしく昼寝忘れる
生真面目に歩く人らは真四角に新芽の生えた柘植の木を切る
請求書ポストの中に残されて残骸のなき梅雨空を待つ
不自然にとりのこされてしまったか吾が庭の木の葉も実も花も