February 16, 2006

メリバの水

旧約聖書の世界に興味をもったのはこの数年のことで、今さらながらに考えると、イタリア・ルネッサンスの奔放さの影響かもしれないし、あの!読みようによっては退屈極まりない世界がビビッドに表現されていることに、聖書を読むことにより思い知ったからかもしれない。ほこりの被った魂を洗濯するというか・・・

メリバの水って何なんだ・・・どうしてこの事件がきっかけで、アロンが死ぬことになったのかわからない。アロンの罪とは何か、モーゼの罪とは何か・・・わからない。ただ、メリバというのが罵ることで、相当酷い罵り合いがあったのだろうし、聖書にはイスラエルの民がモーゼに口論をしかけたと書いてあるだけ。

荒野で飲み水もなく、ただ死を待つ。
その時に何があったのか?

預言者って悲惨。アロンは預言者ではないけれども、モーゼの兄で、兄と一緒なら・・・ということでモーゼと共に行動する。その結果、アロンは2人の息子を失う。香を炊いていたときに酔っていたのだろうか・・・

ミリアムはモーゼとアロンの姉妹だが、彼女はモーゼの妻のことで不服を述べたところ、らい病に罹ってしまった。そして、死ぬ。豊かな土地どころか、飲み水もないところで前途の希望は断たれ、大切な家族を失い、こういう状況で何があったのか、もやは想像するしかない。

モーゼが山にいる間、クレーム係はアロン。並のクレームじゃないですからね・・・怒りと不満の爆発。そういう中で、家族を失い、メリバの水のところで決して口にしてはいけないことを言ったのかもしれない。十戒には人を殺すなと書かれているけれども、モーゼはエジプトで人を殺している。そのことは皆知っているはず。それでエジプトから逃げていたのだから。

なんか、こう、精神的に限界というか、ぐったりとした雰囲気が淡々と綴られており、その結果、アロンはホルの山で死ぬ。息子のエレアザルと一緒に登り、アロンの服をモーゼが脱がせ、それを息子に着せる。アロンの服というのは、司祭の服であり、それにより、アロンは先祖に加わり、エレアザルが後継者となった。

メリバの水というのは、人々が罵り合っている土地で、モーゼが杖で岩を二度叩いたら水が湧き出てきたところからそう呼ばれるようになった。

心安らかな人たち、つまり信仰心のある人たちにとっては、つまり神が何とかしてくださるだろうと信じている人たちには少しも苦労のある旅ではないけれども、信仰心のない人たちには地獄の行程。それが、淡々と綴られている。

***

アロンが亡くなったのは123歳で、40年間荒野をさまよった後と書いてある・・・天寿まっとう。一つわかっているのは、メリバでの事件がきっかけでモーゼもアロンも約束の地では暮らせない、ということか。話が前後するからよく読まないとわからんわ。

投稿者 Blue Wind : February 16, 2006 11:37 PM | トラックバック
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