July 20, 2005

看護師さん、ありがとう

わたしは冷たいのかもしれないけど、母の世話を近頃ではすっかり看護師さんに任せてしまっている。今年の秋で倒れて6年になるため、最初の半年、それこそ自発呼吸が戻るか戻らないかくらいの頃はさすがに心配したけれども、そのまま母が70歳を迎えると次第にこれが日常になっていってしまう。

介護は机上の空論ではなく、あっさり語ればわたしの母の場合、退院すれば死んでしまうような状態なので、自宅で介護というのが不可能。それでもいろいろ手続きなどやることは多く、去年の秋までは弟に任せっきりだった。ところが弟が結婚すると嫁さんからクレームが発生し、わたしがしなければならなくなった。

母の洗濯一つしてくれないと嫁さんを怒るより、母が嫁さんが病室に見舞いに来ただけで血圧が上がってしまい、再び脳出血の再発を疑われる有様ではどうにもならない。・・・・・・・・ほとんど意識がないようでいてしっかり意識があることをこの事実から知ったというのも皮肉な話だけど。

それが現実だよなぁ・・・・

近頃では、入院中に必要な物、例えば紙おむつや手袋の補給も、洗濯も病院で手配してもらっている。これにより入院したての頃みたいに台風の日に歯ブラシがないと呼び出されたり、地震の日にティッシュがないと電話が掛ってくることがなくなった。

本当にヒマならいいけど、娘を迎えに行く時間と重なったり、連日して洗濯をして持って行かなければならない苦労を考えるとほっとする。自宅で介護していなくても、何から何までやろうとすれば毎日のように病室に居なければならなくなる。それでいて、次はリハビリがあります、おむつを交換します、タンを取ります、その他諸々病室になんて居られない。入院していても風邪だの骨折だの忙しい。年寄りは弱い。すぐに医者を呼ばなければならなくなる。

姑さんとも話すのだけど、万が一寝たきりになった時、下の世話をわたしにやられるのは嫌らしい。そこまではっきり言ってくれると考えやすい。だったら、娘ならよいか、と言えば、それも抵抗があるらしいし、仕事のことやら婿さんに気を使うことを考えると鬱が増し、逆に病気に障る。

『癩者の接吻』のノエミみたいに偽善に生きるより、互いにさっぱり生きて行く方が気楽かもしれない。


(トラステへのトラバ⇒「親の介護どうしよう」)

投稿者 Blue Wind : July 20, 2005 02:26 AM | トラックバック
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