January 15, 2005

【今日の短歌】 ゆっくりと地球殺しているような夜更かしという悪しき習慣

・なぜかサイパン、マイクロ・ビーチ

激しくも怒涛の波にあうようなエメラルド色浮ぶ沖合い
紺碧をマイクロビーチにもとめれば熱帯の島たいふうの霧
パラパラと気まぐれな雨落ちてくる生まれたばかり幼き台風
雲の上飛んでしまえば台風もいづこにめぐる地の夢の跡

いろは歌数えるように流れれば逆さにうたう声も混じりぬ
太陽のゆらゆらゆれる波のうえうらうらひかる透かしゆく浜
サンダルをのんびり履いて飛び立てばバンザイ岬寄らずバス降り
悲しみを透かし模様の雲みあぐふわふわとして時間はすすむ

一点に見つむる瞳追いつづく子ら散らすのち店員の笑み
ゆるがない射的のような夜の店鳥撃つ音の鳴り響く棚

マタイによる福音書 11. 20-24 悔い改めない町を叱る

・自転の速まった地球

自転すら速まるような地震とは地球が割れて別れてゆくか
少しずつ地球の霧かわたくしは危ないうえを知らずにあるく
そらのうえ未知なる世界もとむれば遥かな光もはや幾億
そらからは海かがやくか広がるか沈める闇の広がるばかり
ゆっくりと地球殺しているような夜更かしという悪しき習慣
光降る昼間の闇は棚のなか闇訪るる夜は輝き
うらがわの亀裂のうらはいづこかと地球儀をみしメキシコ湾か
うらうらと沸き立つように地球には土のしたにぞパトスの息吹
涙して地球の傷をなぐさむり癒されず海沈みゆく孔

テトスへの手紙 2. 1-5

憎しみの燃え立つ人のありてなお輝きの増す十字架の色
言われてもいいじゃないかと細波は手のなるほうへ呼んで逃げ出す
白砂のあつまりきたる海岸に明日は散るかと堤防築く
荒海の消えゆく奇跡眺めてもモンサンミシェル過去がお好きか

・震災後すぐ

テレビ消し郵便局へゆきたれば何事もなく募金箱あり

ヨブ記 40. 25-32

くりかえし崩されてゆく陸のうえ戦の槍も天にとどかず
人類が破壊せしとも災害の規模深まりし破壊くらべか
海のうえきらきら光る波の色一瞬の傷きらきらと消ゆ

投稿者 Blue Wind : January 15, 2005 04:01 AM | トラックバック
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