October 29, 2004

やんわりと欺瞞は満ちて満ちあふれこぼれるほどに燃ゆるろうそく

若者よ、イラク国境越えてゆき魔がさすという意味を知りたる。
やわらかき眠りの中で現実は空の彼方をせまく飛び越え
新潟の豪雪地帯ふゆのまえほうりだされてさまよわば雪
テントさえやわらかきかな神戸では雪つもりたる冬はなかりき
難民よ、生きているから大変と一瞬の死のブルースを聞く
晴れやかな秋の空には茜雲うっすらとして美しすぎる
晴れやかな秋の庭には美しき小鳥の声の聞こえしものを
じわじわと制限時間あるような新潟の秋冬も近より
台風は予測できると言われても天気図ながめ静かな空よ

マラキ書 3. 17-18

関西は地震がないと言っていたリピートを聴く遥かむかしよ
日本には平和憲法あるからと雪祭り思う自衛隊かな
自衛隊被災地あるく隊員に爆弾飛ばす人はなかりき
イラクって外国なのと何となくとんちんかんに感じるイラク
復興にこんな大金つかっても石油は値上げ わからない秋
ふゆのまえ難民のよう新潟は住む家もなくゆきふりつもる
敷島のわざわいのなか彼波へとレスキュー送り爆弾もらう

やんわりと欺瞞は満ちて満ちあふれこぼれるほどに燃ゆるろうそく
若者よ、死の館へと招かれし真実をみて凍える砂漠
魔がさすという意味を知る砂漠には憐れみのない微笑みのあり

ひねもすは書類手続き追われては鍵忘れた子ランドセル置き
玄関のチャイム鳴らして立ち去りし帽子男は何しに来たか

エレミヤ書 50. 6-7

大輪のパンジー並ぶ店先を大型バケツ買って運びぬ
紫陽花のネルの浴衣を眺めては冬着るものと仕舞いこみたる
サルビアの燃えるこみちを曲がりたる秋の茜の薄日眩しく
拡大す生活こみち三角州まよいみちゆく気まぐれな秋

関西は死んだからねと怒るなよ静かな冬を待つ被災あり
関西が一番なのか被災地は不幸自慢は盲目の秋
スーパーの片隅にある募金箱ひっそりとして空き箱のよう
募金箱書かれた文字をながめてはこれはどこかと読みながしたり
赤い羽根終わったばかり募金箱被災地多き憂鬱な文字
スーパーの高い野菜を眺めてはのんびりとした被災もありき

使徒言行録 10. 24-33

関西と新潟、か。
イラク。
新潟のほうが大変そうだね・・って言っただけで叱られたぞ?
あーやだやだ。関西人ってやつは。
実際に被災していたら、そんなことは言っていられないか。
なんか、もう、うんざり。
いやし、求められたくない。

弟よ、母のことなど忘れろとあっさり語る冷たいあたし
ちゃーちゃんは幸せだよね、叔母は言う。母の浴衣にアイロンかける。
鬱蒼と子に捨てられたと言うような宙浮く視線悔し涙か
叔父さんは心筋梗塞オペしたよ浦島花子の母に語りし
見舞いすら遠のくほどにパタパタと老いてゆくよと月日はめぐる
霧の中生きていたのかわが母は幻の時生きる人あり
霧の中一人で生きたわが母は老いの意味さえ病に消える
病床の母に子離れ説きながら視線を逸らす母を感じる
いつまでも親なんだからと口拭きに赤ちゃん用のコットンを買う
意識とは残酷なものいつの日か老いた自分を突き落とす崖

ペトロの手紙 一 4. 7-9

不幸なら不幸の柵で囲みゆけ不幸の園を荒さぬように

じこちゅうって素晴らしいね。あーあ。世の中で不幸なのは自分だけ。皆が止めるのに、どうして悪魔の園へ行くか?愛されているとか、大切にされているとか、心配されているとか、生きているとか、自分が生きている値打ちを知りたいのかも。

じこちゅうにふりまわされてひねもすはパンジーの苗買うひまもなく
秋の日は親の世話より花の世話しているほうが平和な気分

やっぱね・・・あの人のこと嫌いなのよ、あたしは。

母という実感もなく育ちたる吾はわが母あの人と呼ぶ
幼き日母のぬくもり知らざれば母の愛すら空に浮きたる
淡々と他人の世話をするように袋たずさえ病床歩く
嫁よりもましかもしれぬ娘なら憎むことすら淡くなりゆく

ホセア書 7. 14

自衛隊物資運んで今日もゆく愛の形は50億円
いつまでも成長しないわが国を遠くながめて母国で暮らす

投稿者 Blue Wind : October 29, 2004 02:20 AM | トラックバック
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