September 13, 2004

風はゆくつむぎゆく日の蒲公英の根のはる秋にひっそりと咲く

「まほちゃんは、神さまに愛されているからね。いいこいいこ。」
これだけ。
私も母に言われて育ってきた。
娘に言わせると、神さまの中でマリアさまが一番好きなんだそう。
ちらっとややこしいことが頭の中を過ぎったけど、そういうややこしいことは子どもには関係ない。私にも関係ない。子どもは素直でいいなとおもう。

娘に言わせると、みんな神さまらしい。マリアさまもフランチェスコも。そうやって言われてしまうと、なんて便利な言葉なんだろうと思ってしまう。神さまに愛されていると言われて、神さまの中ではマリアさまが一番好きと娘が答える。

ほんじゃ、あたしのときの神さまって誰だったのだろう?
わからない。
マリアさまに愛されているからね、と言われたわけではない。私も娘にそうやって言ったわけでもない。教会に祭壇があれば、私はジーザスに、娘はマリアさまに。よくわからないけど、そういうものらしい。
本当はダメなのかもしれないけど、こころのちかさというものがあって、そこを好きか嫌いかで言われると否定しようがない。

アバウトなんだよなぁ・・・
それこそババアになると、ぐるんぐるんとややこしいことが頭を過ぎる。そこに実際的な冠婚葬祭が追加されるともーダメ。ぽいっと捨てる。

マタイによる福音書 10. 1-4 十二人を選ぶ

こちらに選ぶ権利はない・・・

母は、疎開前に通っていた幼稚園の神父さんがルーツだろう。ながい。イタリアの神父さん。戦争が終わったら帰国なさったそう。すごい昔の話。母が、初めて大学の御聖堂に入ったとき、あまりにも懐かしくて泣きながらお礼のお祈りをした後に話してくれた、当時のことを。母もすっかりおとなになって忘れていたのだと思う。
あのときの、母の驚愕した顔を覚えている。

すぎゆかば記憶の人になってゆく母からわれかわれから人か
風はゆくつむぎゆく日の蒲公英の根のはる秋にひっそりと咲く
蒲公英の宿根草だと知らされる秋の庭にはブルーサルビア
刈られても芝の中から新芽かな春を待たずに花を咲かせり
台風よわれのいぬまにありがとう枯れることなく花は広がり
雨のない土のない道花は咲くそぞろ歩きぬ手には水持ち

エレミヤ書 17. 9-12 人間の心を知り尽くす神

水・・か。
母は、何にあんなに驚いたのだろう・・・撃たれたように驚いていた。アシジのおばあさん風に言うと、まりーあ。

投稿者 Blue Wind : September 13, 2004 04:36 AM | トラックバック
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