September 03, 2004

牢獄の天窓

詩編 74. 1

8月14日(土)続き。 午後、フィレンツェに到着。部屋の窓からサンタ・マリア・ノベッラ教会とドォーモの屋根が見える。つまり駅前。朝、鐘の音で目覚める。9時15分前になると馬車が数台窓の下を通過する。フィレンツェは下町のような雰囲気の街。
早速、ドォーモを目指して歩く。ところが、離れていると見えるのに近づくにつれて見えなくなる丸屋根。間違えて、サン・ロレンツォ教会のほうへ進んでしまったらしい。何かの入り口を見つけたので入ってみたら、メディチ家の礼拝堂だった。ロケットのような重圧感。写真で見るより美しかった。それでいて修復中。それでいて、組んである足場まで豪華。
外へ出て、ちょっとしたスペースがあったので一休みする。それがアカデミア美術館の横だと気がついたのは翌日だった。フィレンツェは狭い。ドォーモも暗い街並みに目が慣れているせいか、明るく綺麗だった。でも、中は暗い。

8月15日(日) 地図を見ながらアカデミア美術館へ。隣にサン・マルコ美術館、とある。入り口を間違えて、サン・マルコ教会のほうへ入ってしまった。いぶかしがっているヒマもなく、アカデミアで歩き疲れて、椅子に座ったとたんにミサが始まってしまった。とても外へ出られる雰囲気ではなかったので、そのままミサに参加。アリルヤ、アリルゥゥヤ。XXXXX(わからない)、アーメン。周りはイタリア語。私は日本語。おなじ、おなじ。アーメン。説教はわからないけれども、前の席の女の人がうるうるしながら握手を求めて来たので、何となくわかった。同じように、後ろの席を振り返り、皆と握手して来た。おちびも真似をしている。
サン・マルコ広場は、こじんまりとしていて、鳩がたくさんいるので、娘にどこへ行きたいかと尋ねれば、そこらしい。
翌日が月曜日なので、疲れていたけど、娘を馬車に乗せてご機嫌を取り、むりやりウフィッツィ美術館の列に並ぶ。素晴らしかった。でも、川が汚いことに気づく。手荷物検査があり、バッグの中にカメラが入っていたのをそのままにしたために、フィルムがボツ(になっているはず)。

8月16日(月) ほとんどの美術館がお休み。娘が、サン・マルコ広場へ行きたいというので再び向かう。カフェのアイスクリームでご機嫌を取り、今度こそサン・マルコ美術館へ。なんと、ガイドブックには書いていなかったけど、修道院がそのまま美術館になっていた。小さな部屋がいくつも並び、それぞれの部屋の壁に描かれているアンジェリコの絵を見てまわる。小さな部屋、小さな窓、中には廊下にしか窓のない部屋もあり、ルドビーさんのお部屋の写真とはずいぶん違う。一番最後に入ったコジモ・ディ・メディチの部屋が何となく記憶に残る。修道院の中に、彼の部屋があること自体が不可思議であり、フィレンツェであり、ほかの部屋と唯一違っていたのは、部屋の奥に部屋があり、その牢屋のような部屋には窓のほかにめずらしく天窓らしきものがある。修道院の片隅で、さらに一歩下がり、それでいて窓が二つある。癒しの牢獄。フィレンツェに疲れたら、座っていたい場所かも。
いや、馬車に乗ったのは、この日かもしれない。同じところを何度も通っているために忘れた。

8月17日(火) アリタリア航空からようやく紛失していたバッグが届いたので、ヴィアレッジョへ。海。カラフルなパラソルが並ぶ広いビーチ。海は汚いし、フィレンツェから往復5時間を費やす値打ちがあったとは思えない。でも、関東の夏の海を考えれば・・・

8月18日(水) ミラノへ。イタリアで、全席指定の電車には2度と乗りたくない。

使徒言行録 9. 26-31 サウロ、エルサレムで使徒たちと会う

投稿者 Blue Wind : September 3, 2004 01:50 AM | トラックバック
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