July 23, 2004

夏の陽は平等にして暑かりしクーラー代の入った珈琲

ヤンキーの降り口ながすエレベーター霞ヶ浦をながめる夏よ
土浦は退屈そうに夏休み駅ビルの前あしばやな人
首都圏と言われる地価と駅前を霞ヶ浦は濁川かな
本当の田舎のよさのなかりせば田舎は地価のかろき街かな
高層のマンションの窓数えては日当たりなどを考えてみる
屋上にたどりついたる駐車場急勾配におどろき走る
偏差値と地価のうつろうひねもすをパスポート取り逃げ出し走る
鉄道の通った街はうららかに人を吐き出し遠路へつづく
邪魔そうに停めた車の狭いみちそろりそろりと逃げ出し走る
通勤を考えぬ日はうららかに帽子をかぶる吾子をながむる

コリントの信徒への手紙 二 3. 4-6

のんびりとエスカレーター降り立てばリゾート風のバッグが並ぶ
夏景色感じるビルは夏服の売り場の中にこの夏ありき
値札さえ揺れさえもせぬ空調は夏の暑さを隠してみせる
ひまわりもディスプレイ用ショップ内これでは夏はいずこにあると
照り返す厳しき陽射し屋上に夏はあるよと車は並ぶ
ぎらぎらと夏をのみこむ黒服のヤンキーの耳ゆれる金色
衝動に走れるもののなかりせば赤札だけがきわだちゆれる
買い物をするしかないとエアコンはビルを冷やしていま夏休み

退屈がこころつぶすと街並みはたいくつなままぎらぎらと夏

イザヤ書 30. 26

鉄道はないほうがいい、たまに思う、ぎらぎらとした陽は輝けり。
おしつぶすフロントガラス陽が射せば地獄のみちも風とおしよく
アクセルをのんびり踏んで田舎道カーブの空はひろくあおくと
さるすべり民家の庭に咲きたればまもなくみちはわが家へつづく

しあわせと感じる夏は陽が射せば風吹きながれ花の咲くみち

歴代誌上 21. 11-13

うわのそら右から左うわのそらそぞろあるきぬ石ころの庭
苛立ちも愛想わらいもうわのそら並んで咲いたあらくさもなく
たいくつで死にそうな日は書物かな並んだ文字さえうわのそらかな
あれこれと世間話についやせば不安と不満あの人この人
つながりの白墨として描かれた黒板の文字粉にかわれり
教育費出してやれよと年寄りは数の多さに未来の孤独
子育てを終わってみてから考える人生なんてちょっとさみしい
つながりの保てぬ夏は子らのない公園のよう冷えた部屋かな
それぞれに家があるよと留守がちな通勤客の詰まった電車
それぞれに電話あるよと携帯は直通メールわんぎりの音

エゼキエル書 41. 4

安物のリゾートバッグをながむれば静かにこころ衰弱はてる

夏の陽は平等にして暑かりしクーラー代の入った珈琲

投稿者 Blue Wind : July 23, 2004 03:08 AM | トラックバック
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