July 18, 2004

菜園のあらくさまみれあるじ留守いつしか葱は見えなくなりし

生きてると言わんばかりに雨戸あく娘の代わり窓辺立つ母
裏庭の明るい日差しオト鳴けば閉したるままの雨戸に気づく
今回はなかなか戻ってこれないとあるじは語り留守がちな昼
春の日はうららなままに放置されあちらこちらで動けない初夏
菜園のあらくさまみれあるじ留守いつしか葱は見えなくなりし

ややこしく開発されたつくばにはふるきしきたりあたらしき人
ふるき人声かけぬれば一族があつまりきたるわがやのにわさき
ふるき人あたらしき人あつまりぬのらくらすごすわがやのにわさき
隣人か地主か業者かくるくるとおなじ人らの話ながるる

わが庭のわが庭ならぬわが庭はふるき隣人あたらしき人
パチパチとにらみおうてるわが庭をカーテン越しにオトとながむる

風よ風くるくるまわる風ぐるま風見鶏なら風まかせかな
関東のからっかぜ吹くビル風のおそろしき庭ものさえおかぬ
ひねもすを世間話についやせばくるくる人のいれかわりたる
壁あれど地面を空をこえゆかむ草木は気まま人あつめたる
わが庭のわが庭ならぬわが庭はみちゆくひとのいれかわりたる

もう何十年もドンパチしてるから、たいへんらしい。うちのねこのひたいのような庭に、北条米の農家のおじいさんやら、筑波山の地主さんやら、この辺のもともとの地主さんが、庭仕事にやってきているらしい。うちは単に庭を隣のマンションの大家さんを通して頼むことになっただけ。木が大きくなりすぎて、わたしではどうにもならん、というだけのことが、なんでこんな大袈裟なことになってしまったのだろう。

うちのウェスタンスタイルの下手な庭を、芝の産地である自慢の赤土の山だったのだから、芝に戻せばすべてが解決するらしい。百合が・・・って言ったら、百合根をのこしてくれて、もってきてくれた。
怒っていいのか、安くこんなに丁寧に工事をしてくれて感謝するべきなのか、わたしにはもはやわからないです。
掘るのもたいへんな粘土質の赤土がようやく腐葉土にかわったと思って喜んでいたら、あちらにしてみたら土をダメにしているのだそう。そんな土にするから植木が育ちすぎて、どうにもならなくなる、と叱られた。そのように言われたらまさしくそのとおり。
交通のこととか、街のこととか、景観とか、そんなことより、「土」のことしか考えない。それでいて、おらが村は美しく発展しないことには子どもたちが都会から戻ってきてくれないと嘆く。こちらはこちらで、都会から親がきてくれないから、悩んでいる。
都会の生活に慣れた人たちでも、どうにかここなら暮らせると思う場所でありつつ、昔ながらの農家の生活も。まっぷたつでありつつ家庭内問題でもありつつ。えっちらおっちら山から人が・・・わかるような・・・わからないような・・・
突然、こんなところに街をつくった国がわるいんだろう。

ちょっと上の世代になると、まっぷたつだもの。みごとにまっぷたつ。話しても無駄だろう。互いに無駄だということに気づかないことには始まらない。

というわけで、うちの庭は芝の庭になるらしい。わたしの苦労は何だったのだろう?
農家のじいさんたちに言わせると、子どもの遊びなんだそう。そーやって言われたらそのとおりなのだけれども、農業で食ってるわけじゃないから、厳しく言われも無意味だから。
たしかに、研究所を並べるにはもったいないほどのよい土。もっと農業には適さないような土地を選べばよかったのに、国はいつもそこまでは考えない。だから、今回は、農家は民主党らしい。なんかね・・・わかりやすい。それでいて、そのおかげで、農家は大金持ちなのだから、よいと思うのだけれど、それなりの鬱憤と不満。
あたしには何の関係もない話だろうに。あみだくじでこっちに来ただけだ。

人間に関係ないとオトくんはドアから庭へ飛び出し走る
芝庭を喜びたるは長男のオトは走るよ、気ままに走る。

ほんと、オトくんはいいよね。
おじさんたちがまびきした梨の実をもごもご。
ほんと、オトはへいわだ。

それが本来なのかもしれん。よーわからん。

ダニエル書 9. 23

まびきした梨をくわえてオトくんは秋の実りを待つのだろうか
ぼんぼりのようにならんだ梨の実は秋を待たずにひとつごになり
片の実の捨てられたるをながむればオトはよろこび目をまるくする
ぼんぼりをぼんぼりのまま眺めたい梨の実なればおとすものかな
スーパーに並んだ梨で育ちたる吾には梨の姿みえざる
百合の花根のため植えるものなると言われて気づくゆりねなるかな
天然の野菜なる木の難ければ人の手知りて人手に渡る
野菜からポルシェにかわるみちのりは黒き布にて覆われている
公務員貧乏人と言われては集団決議口論の街

ダニエル書 11. 6-7

わたしの「ながねんのくろう」は、まけた。きのうきょう。にわかあめ。

落雷にのせて咲かせる火花かな線香花火はむなしくおつる

投稿者 Blue Wind : July 18, 2004 01:28 AM | トラックバック
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