モアブは幼いときから平穏に過ごして 捕囚となったことはない。 古い酒のように静かに寝かされ 器から器へ注ぎかえられることなく その風味は失われず 香りも変わることがなかった。
それゆえ、見よ、と主は言われる。 傾ける者をモアブに遣わす日が来る。 彼らはモアブを傾け 器から注ぎ出し、壷を砕く。