華やかな孤独の匂いひしひしと生活臭と華美の転寝
懐かしい青山の頃振り返るふたり合わせてひとりの人生
われ知らぬいち先生の若き日をわれ知る頃と重ね合わせて
青山ですれちがいたる人生をつくばねの下十年の月日
偶然は粉々にした消失をみもふたもなく光にさらす
使徒言行録 7. 50
あの人もこの人もまたわたくしも造られた美の幻影のなか
女性とは鏡のような人間で女性になれぬ女性を描く
幽玄の幻の中ひねもすは透きとおる壁そっと突きぬけ
若き日か退廃なのかすでに過去ゆきてとおるは冥福のなか
幻影も造りた日々も遠のけばなつかしき友話つくせぬ
歴代誌下 32. 31
自殺かと思ってみても違っても何も変わらぬ孤独というもの
驚かぬわれらの不思議都会にはシュールな影の出会いもありき
われらには田舎暮らしと子育てが。彼は眠れり故郷の土か。
頑なにシュガーポットのスプーンには粒が固まる憤りあり
繊細は頑ななまで神経を頑なにして繊細に死す
繊細は夕暮るる波浸す足落として残る砂の粒かな
落としても洗ってみても白砂は無限の粒に愛を伝えり
ちっぽけな余分な砂の落ちぬよう一粒の愛握りしめても
公約数黙って逸らす視線でもシュガースプーンをゆるせない人
わかるよなわからないよな苦しみはつたえてむなしスプーンの孤独
琴の音をグランドピアノで支えればハープの音の流れゆく日は
ひとりにはひとりの音の流れゆく風かさなればピアノは狭し
コヘレトの言葉 9. 11-12
頑なにクチュールの中生き抜けば翻弄さるる怒涛の時代
若者の流行のなか千葉一雄見つけ喜ぶ憂いの楽し
広大な宇宙に浮かぶ青き星白雲かかる美しきテラ
わが星の青き光の浮かびては幼子のごと愛らしきさま
とこしえに楽園のごと住まえれば花は微笑み海はかがやく
パラダイス不毛な園に変わりては破壊のゆくてとどまることなく