May 11, 2004

くりかえし覚悟してはとおおげさに細波のごと遠くに浮かぶ

鬱走るゆるびゆく日は母の死に苛立ちおぼゆ雨は降る降る
落ちゆかば幽玄の園幻のかさなりゆかば紅き楓よ
人の死の陰気臭さをおもわなば暗がりの人しのびてゆかめ
紫陽花は形の葉だけのばしてはてんとう虫をしのばせている
喉の孔白ガーゼのせ隠したるチューブの色は液体の色

ヨハネによる福音書 8. 14-15

やさしさが鬱々とする憂鬱は雨の降る日がちょうどいいかな
くりかえし覚悟してはとおおげさに細波のごと遠くに浮かぶ
沈みゆく海の底では生きられぬ波打ち際で砂文字をかく
うつろわば日は流れゆく苦しみは同情されて深海の砂
弟に鬱うつしてはメール読むやけにやさしい世間がかなし

退廃よ、いつかはみんな死ぬものと笑い飛ばして遊んでおくれ。
手品など急にやりだす夫がおかしヒステリーにもなれないわたし
明日来れば陽は昇りゆき日が変わるもの悲しくも遠足はある
ひねもすは鬱々として明るくて日は変わりゆきひねもすとなる
沈みゆけ。わが精神よ沈みゆけ。憐れみもない太陽の下。

ヨハネによる福音書 19. 28

姑の「足うらたたき」宅配便ツボでも叩き鬱をつぶさん
鬱々と鬱を回してひねもすは地球のようにつながりゆかめ
苛立ちは空回りしてひねもすは地球のようにとどまり回る
愛という白き世界のまばゆかばうめぼしを食み大和路歩く
ゆっくりと沈める夕陽眺むよう朝陽ののぼる太平洋か
十字架は大きくもなり小さくもなり枯れ枝もフェンスにありき
朴訥に風の吹きたる丘の上風のゆくえを風と眺めし

ヘブライ人への手紙 1. 7-8

風のうたささやく声を聴きながら透かし日の色青くひろがる

闇から光。もう慣れた。慣れすぎかもしれない。
これで足りないとラテンのノリ。とことん落ちれば憐れみのなか。
落ちるまでが大変。
ステファン・ミクスはきつい。

投稿者 Blue Wind : May 11, 2004 03:12 AM | トラックバック
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